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―――神々が世界を創造したとされる創世記から数え、
時は星暦12998年。
この世界には三つの大きな大陸がある。
中央大陸の東南部を自治する
マテニ教会の《神聖都ジン》
国民のほとんどが
【再生の女神マテニ】を信仰している。
そしてマテニが定めた法を守り、朝晩の祈りと週に一度の神殿への礼拝を絶対に欠かさない。
そして聖祭は国民全員が祝い、参加しない者は誰一人としていない。
この国民性が神聖都と呼ばれる所以である。
宗教が国を統治している法権制度で、再生の女神マテニの生まれ変わりとする聖女を象徴とし、最高司祭を中心に教会が治める。
そして教会は自衛の為、聖騎士団を擁している。
従順なる国民性、屈強な聖騎士団を持つマテニ教会は、中央大陸では最強の勢力であろう。
中央大陸の北東に位置する大陸。
この大陸全てを領土とする
《機国オウカ》
ここ数十年、ジンを始めとする数々の国が領土や利権などを、奪い争いあってきた。
しかしオウカは全ての争いに一切干渉をする事がなかった。
そればかりか百年近く、他国との外交も行なっていない。
其れ故、沈黙の大国と呼ばれた。
独自の文化、技術を持っていて、特に遥か昔に失われたとする機械技術は世界一と噂される。
大陸の海岸沿いを、空にも届かんばかりの金属製の壁で覆い、海上からでも内部を伺い知る事もできない。
時たま見える最新鋭の飛空船だけが《機国オウカ》の情報である。
そして残る一つの大陸。
魔大陸は中央大陸の北西部に【浮遊】している。
中央大陸の北西部が浮上したとされる魔大陸にある国
《ウィスキン帝国》
多種族が暮らす魔大陸の中での唯一の国で、その歴史は世界の中で最も古いとされる。
小国ではあるが、多種族の様々な文明、力を使う為、他の大国にも引けを取らない軍事力を持つ。
中でも魔族、竜族の力を借りた特殊部隊は、二十年前のジンとの大戦の際には猛威を奮った。
魔大陸には数々の秘境、魔境があり、国土の全てを把握している訳ではない。
地上との交通手段は主に、飛空船技術を用いる。
中央大陸西部に発着の砦を幾つか擁している。
竜に乗って降りて来るとも噂されるが定かではない。
他にも数々の国、部族や種族がいるが、世界はこの三つの国によりバランスを取っていていた。
しかし徐々にその天秤が崩壊へ向かって傾いていた。
シルドはその中心に自分がいるとは思いもせず―――
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