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「たくさん楽しませて下さいね」
またも笑みを浮かべ言う雨月の周りを素早い動きで円を作って囲み、ぐるぐると目にも留まらぬ速さで動く。
「この速さでは我々を攻撃でできんだろ!」
内一人が意気軒昂に言えば、他の者が高笑いをあげる。
そんな敵に対し、雨月は顔を下に向けてしまった。
「どーした?攻撃して来な…ッ!!」
挑発の言葉を言い切らない内に敵一人が、顔をこれでもかという程に歪ませ壁に凹みを作って気を失っている。
頭から血を流して。
その時の衝撃の音で他の敵は動きを止め、無残な仲間の姿を見て雨月へと目線を移した。
見れば、すらりとした脚を真横に突き出しており、その脚を下ろして顔を上げれば、瞼が閉じられている。そして徐に瞼を開き、横目で攻撃した無残な相手の姿を見て、ニヤリと笑った。
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