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互いにソファーに座っており、皮肉を言う雨月は一口コーヒーを飲んだ。一方の今佐人は、無言でお茶を啜っている。 そこへ、ピンポーンと古式な呼び鈴が鳴った。 今佐人が玄関のドアを開けると、ずかずかと部屋の中に入ってくる少年。 「ど~も~!一週間ぶり~」 両手を上げて元気良く言う末吉に、二人は目を丸くする。 「行くとこないから、オレもここで一緒に住まわせて~!お願い!!」 「「ハッ!?」」 末吉の突然の登場に付け加え、突然のお願いに二人は声をはもらせてしまう。 「ほら、父さん逮捕されちゃったしさ、家だったあのビルも今警察の人が調べててさ、それに言葉じゃ表せられない位の借金があって、警察の調べが終わったら借金の形で取られちゃうんだ。親戚もいないし、だから住むとこなくてさ~…お願い!!」 末吉は顔の前で両手を合わせ言う。
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