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UTOPIAの一件から二ヶ月後。
七月だというのにまだ梅雨が明けておらず、雨ばかりな日々。しかも生温い気温が続きイライラしてしまう。
そんな夕飯時間を過ぎた、人通りの少ない道を黄緑色の傘を差した制服姿の少年が歩いている。
(…あつい…ベタベタする…)
少年、末吉は内心で不服をもらしながら歩いていると、目の前にいきなり人が飛び出して来てよろけてしまい、咄嗟に手で全体重を支え、ズボンが汚れるのを防いだ。
小さく痛みを訴える言葉をはきながら顔を上げれば、先程の飛び出してきたフードをすっぽり被ったスウェット姿の人が三人近場に停めてある車へと乗り込み走り去って行く姿が見える。
ぷりぷりしながら末吉は立ち上がると自分の横にある小さな公園を覗き見るように見て、何かあるのかと、末吉は公園内へと入って行く。だが特にこれといって変わった所はなく、ウキウキした気分が一気に消え失せ踵を返した時、何かに躓きコケそうになるのをなんとか持ち堪え、怒りを露にしながら振り向けば人間の片足が投げ出されている。
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