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青年は口元を緩めたまま、コートのポケットから煙草を取り出し、一本口にくわえ、瞑っていた瞼を開きながら煙を吐き、気怠そうにとある方向へ顔を向ける。
「…派手に感じたみたいだな」
普通の足取りで、転がっている人達を踏まないよう上手く裂けて近づいて来た、白いつなぎを着ている長身でガタイが良い、黒髪短髪の青年。
よく見れば、つなぎには何かのマークが入ったワッペンが付けられている。何かの制服だろうか。
「それはもう…あと50人居たら絶頂しちゃってたかもしれません」
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