recipe2

9/23
前へ
/121ページ
次へ
その部屋の隅一角に椅子が置かれ、男が一人白目をむいて座っている。見るからにもう息はしていない。 そんな男性を見てイラつきながら盛大に溜息を吐く、白衣を着た、黒髪の七三分け男が一人。 そこにスウェット姿の若い男が三人入ってきた。 「また頼むよ」 白衣の男は嫌気に言い、白目を向いている男へと視線を移した。 スウェットの男達は返事をし、白目を向いている男を抱えその部屋を後にした。 そして白衣の男は机まで行き、引き出しから数枚の紙の束を取り出した。 「また新しい実験台を用意しないといけないな」     ЯЯЯ    夜の八時。 長蛇の列を作る、とあるビル。 その列を辿って中に入って行けば、一つのドアの前まで続いている。 「どうぞ、お座り下さい」 黒い着物と顔半分を隠す布を纏った蒼珠、声からして女性、落ち着いた声色で言ってきた。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加