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それに従い、雨月は台を挟んでその女性の目の前に座る。
「初めての方でいらっしゃいますね。蒼珠と申します。これから占いの方を始めさせて頂きたいと思います。まずは此方に、お名前と生年月日をお書き下さい」
言われたとおり、白いメモ用紙に書き渡す、雨月。勿論、偽りのものを。
それを確認してから蒼珠は目を瞑り、何かを感じ取っているようだ。
「…貴方は今、表沙汰に出来ないような事をしていますね。これを続けていたら今後、とても危険なめに遭います。今の内に綺麗さっぱり止められた方が…あの、聞いていますか?」
「はい、ちゃんと聞いてましたよ」
目を瞑りながら話していた蒼珠が徐に目を開くと、部屋の中をキョロキョロとピアスを触りながら見回している雨月。それを見て二、三瞬きを繰り返して聞いてきた蒼珠に、笑顔で答える雨月。
「今まで止められなくて…クセになってるんですかね。これからは止めるよう努力します。ご忠告有難う御座いました」
「いえ、花月様のお力になれて良かったです。良い方向に向かうようお祈りしております」
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