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それを見送った今佐人は大きな溜息を吐いた。そして気付けば真向かいにいるはずの雨月が居らず、灰皿に火の消えた煙草が入っているだけだった。
「どうぞ」
「…あ、ああ、すまない」
いきなり自分の真横からスッと出てきたお茶に驚き、少々吃ってしまう。
雨月は「いえ」と一言言って、キッチンから持ってきた夕飯、トマトとカッペリーネのパスタと赤ワインに手を付ける。
そして、二、三口にしてからズボンのポケットから数枚の写真をテーブルに出した。
「途中経過報告です」
「…これは、まさか…」
「はい。快楽を貪れる道具の住みかです」
今佐人が手に取り見ている写真は、雨月が行った蒼珠と言う占い師の部屋の中を写した物。観葉植物や円の中に星を描いたタペストリー等、蒼珠の顔を写したものまである。
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