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「見てください」
スッと、空いている間隔の合間に画面が三分の一を占める四角い携帯のような機械を持ってきて、今佐人に見せる。
少量の音声と共に画面には、椅子に両腕を固定させられもがき暴れる若い女性が映っている。口にはガムテープが貼られている為声を出したくも出せないようだ。
その女性の目の前には白衣を着た七三分けの男が一人。手には淡い水色の液体が入った試験管を持っている。
そして、女性の口に貼られたガムテープを構わずビリっと剥がし、その痛みに顔を歪ませる女性の顎を持ち、間髪を容れずに試験管の液体を一気に流し入れる。
それを飲み込んでしまった女性は少々の間を置いてから、これでもかと言う位目を見開き、一声も上げる事無く生き絶えた。
そして、公彦と丹胡のやり取りの映像が流れ、そこで映像が途切れ、画面は砂嵐のようになる。
雨月は機械を操作して電源を切ると口を開いた。
「これで証拠は揃いました。明日の夜に決行します」
「………」
「…今佐人さん?」
「今から行くぞ」
「えっ、ちょ、今佐人さん!?」
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