48人が本棚に入れています
本棚に追加
誰も教えてくれないって…普通じゃないよな?
周りの皆がヒミツにしてたら…誰もがそう思っちゃうよ…
俺だって、和希くんの立場だったら…そう思っちゃうし。
でも、俺はなんとか和希くんを励まそうと頑張ってみた。
なんだか…ほっとけなかったんだよね…
初対面なのに…和希くんをほっとく事が出来なかったんだ。
「そ、そんな事ないって!きっと大丈夫だよ。マイナス思考ばっかだと、病気が悪くなるだけだぞ?」
「はい…でも…それしか考えれないんです」
「ん~…別の事考えようぜ!楽しい事とかぁ、好きな物の事とか!」
「好きな…物?」
「そう、好きな物!和希くんの好きな物って、何!?」
すると和希くんは、躊躇いながら部屋にあったクローゼットを指差した。
俺は和希くんが指差したクローゼットへと近づき、開けてみる事にした。
クローゼットの中には、和希くんの服やら何やらが入っていて、俺は服が好きなのかなって思った。
「服が好きなの?」
すると、和希くんは勢いよく首を横に振った。
そして指していた指を徐々に下へと移動させた。
俺は和希くんの指の先を見るために、視線を下に降ろした。
すると、クローゼットに掛けられてる服の下に、新品のサッカーボールが置いてあった。
最初のコメントを投稿しよう!