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「もしかして…サッカーが好きなの?」
「…」
和希くんが静かに頷いたので、俺はクローゼットからサッカーボールを取り出し、和希くんへと持って行った。
和希くんにボールを手渡し、俺はベッドの横にあったイスに腰掛けた。
すると和希くんは、ボールを見つめながら小さな声で話し始めた。
「僕…やった事がないから…」
「え?」
「いつも…サッカーはテレビで見るだけで…やった事ないんです」
「でも好きなんでしょ?」
「…はい」
俺が質問すると、和希くんは笑顔で返事をしてきた。
この部屋に入って、初めて和希くんの笑った顔を見たなぁ…
和希くんって、笑うと笑窪が出来るんだぁ…
「和希くんって、笑うと笑窪が出来るんだね~!なんかいいなぁ!笑窪あると可愛いし!」
俺が『可愛い』と言うと、和希くんは顔を赤くして照れながら、俯いてしまった。
俺は、和希くんの笑窪付近を指で突きながら、もっと笑ってもらおうとしたんだ。
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