WIND

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「獄寺君、何時もと様子が違うけど大丈夫?」 綱吉は獄寺の顔を覗き込んだ。 途端、獄寺の顔は朱に染め上がる。 「だっ、大丈夫っすよ。十代目。」 明らかな狼狽を見せながら、誤魔化そうと必死で笑顔を作る。其れは歪な、美しさを纏わない作り笑顔だった。 「獄寺君、ホント大丈夫?熱でもあるんじゃ……」 言い終わった頃には、もう既に綱吉の顔は獄寺の目の前にあった。額同士がくっつき、少しでも喋れば、息がかかる位置。 「ツナ、そんなんじゃ熱測れねぇぞ。」 山本は笑いながら綱吉を諭すように言うが、目は笑っていない。 ドサッ 不意に音がして床に視線を落とせば、茶色に映えるグレー。 「大丈夫?獄寺君っ。顔真っ赤だよ。保健室……「保健…室はダメっす……よ。十代目が危険です。」 言葉を、床に伏している獄寺に遮られる。 「十代目をシャマルの毒牙に晒す訳にはいきません。俺なら大丈夫なんで。」 徐に立ち上がって見せる。その様子を見て、綱吉は安堵の息を漏らす。 「良かった。獄寺君に何か有ったら、俺……」 また、空間が止まった。 山本は笑ったまま固まった。相当、心中穏やかではないのだろう。 獄寺は、間の抜けた顔で綱吉を見ていた。 「ツナ、今何て言ったんだ?」
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