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「どうしてないているの?」
彼女は決まっていつも此処で独り泣いている。
一ヶ月前彼女の彼が此処で交通事故にあって亡くなってしまったのだ。
いつもいつも泣いている彼女を見ていると枯れてしまうのではないかと心配になる。
《義行さん…?》
彼女はナニかを呟いたけど僕には聞こえなかった。
《ごめんなさい…貴方が彼に似てたから…》
無理に笑っている彼女をみて僕は抱き締めずにはいられなかった。
「今日1日僕が彼の代わりになってあげる。」
自分でもナニを言っているのかわからなかった。
だけど彼女に笑って欲しくて、無意識にくちばしっていた。
「行こう!!」
僕は有無も聴かずに、彼女の腕を引いて走り出した。
「まずはショッピングだ。」
ブランド店を何店も歩いて彼女に合う服を探した。
ちょっとしたプリティウーマンごっこみたいで楽しかった。
「そろそろ食事にしようか。」
二人でファーストフード店に入った。
前から一度言ってみたかったんだ。
不意に彼女が笑った。
《口の周り汚しすぎよ!!》
ずっとみたいと思ってた笑った彼女は凄く可愛くて、僕は少しの間見とれてしまった。
《どうしたの?》
彼女が心配そうに見てきたので僕は慌てて冷静を装った。
僕が彼女に次は何処に行きたいかと聴くと、彼女は遊園地に行きたいと言った。
ちょっと意外な答えに僕は吹き出してしまった。
《やっぱり遊園地なんて子どもっぽいかな?》
照れながら言う彼女が可愛くて、愛しいと思った。
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