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「リーバーくんのろくでなし…」
「どっちがですか」
あっさりと返された答えにコムイは泣く以外方法が見付からないでいた。後から書類が増えますよ、なんてリーバーの言葉が耳に入らない程に。落ち込みすぎ、そう言いたくもなるのだが、残念ながらリーバーはとどめをさすだろうなんて思ったのか言葉の代わりに溜息を落とした。
「――さっさと此処にある書類に判を押してくれたら、少しだけ休み取ってもいいですよ」
溜息混じりに吐き出されたその言葉にコムイは勢い良く顔を上げる。
「本当…?」
まるで捨てられた仔犬のような顔だ。リーバーは思った。可愛らしいというかなんというか…。仕事のしない相手だというのに、笑みが零れてしまうのはこのせいだろう。そう思うことにした。
好きだから、という理由を隠すように。
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