~そしてバスカルアック~

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  なに? 今…なんて言ったの?   『ヤバイ』   咄嗟に探しあてたチャット文字。 メイジがこれに反応した。   『どう言う関係?』     どうしよう! …まさかこんなに沢山の人の中で、彼のエターナルフレンドに出会うとは! 彼とでさえ偶然の出合いがないのに、フレンドと出会うなんて! どうしよう。 なんて応えよう。 本当の事を言ってもいいんだろうか。     何かが私の後押しをした。     『彼女です』     何故だろう。 このメイジには本当の事を話さなきゃいけない気がした。   …誰かに自分の存在を知って欲しかったのかもしれない。 私との関係を知っていて欲しかったのかもしれない。     またしても奇声の後でメイジが尋ねる。     『内側の?』     内側って…エターナルの世界の事よね?   どういう意味? 内側って…   戸惑いながらも答えた。   『外側の』     『きええええええっ!』   何度目の奇声だろう。 立ち上がって私の周りを走り回っている。 その様子が可笑しくて、さっき抱いた違和感をつい忘れてしまっていた。   ひとしきり走り回ると再び私の前に座り直す。   『!した  そうか  いるーああの彼女3か』   『はい』   『いい人だよ』   『本当に?』   『うん  何度かパーティしたけど  いい人だよ』     私の知らない、エターナルの世界での彼を知っている人からの言葉が、とても嬉しかった。  
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