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こんな風に、エターナルで名前を呼んでもらえるなんて思いもしなかった。
しかも、この名前は高校の時からのあだ名で、友達は今でもこの名で私を呼ぶ。
ゲームの中で生きることを許されたような、そんな気がして、今までの迷いが消えていくようだった。
『のの』
『はい』
『レベル上げしませんか?』
彼以外の人とのパーティは初めてだった。
けれど今まで抱いていた不安はもうなかった。
『はい』
西グリディアナのゴブリンを何体か狩り、再びバスカルアックに戻った。
Dはいろいろな事を私に教えてくれた。
8キーで敵にターゲットを取る時に少し離れた位置から魔法を使うと、2タゲになりにくい事。
ヒールを使い過ぎるとターゲットが自分にくるから気をつける事。
戦闘が終わったら安全な場所ですぐ座って休憩する事。
ショートカットのやり方と使い方。
ショートカットにスキルを登録しておくとすぐにスキルを発動できるため、戦闘に不可欠だという事。
そして…
『のの
私は一度落ちるね』
『はい』
『さっきの計画
Rに話します
その時
ののを紹介するからね』
そして…
画面にログが流れる。
Dからのフレンド登録のログ。
これも私には初めてのことだった。
胸が熱くなる。
『ありがとう』
心の中で何倍ものお礼を言いながら初めてのフレンド登録を済ませた。
『じゃあ
のの
後でチャットするね』
そう言い残し、Dは消えた。
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