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『今日はエターナルの一周年メンテがあったから、記念アイテム貰いに行こうね』
彼から電話があった。
なんとなく心苦しい。
昼間のDとの出会いを話してしまいたい欲求と、彼に秘密を持つという、後ろめたい気持ちを抑えるのに必死で、いつになくテンションが高くなる。
『あの…あっ…あのね…今日ね…頑張ったんだょ。』
何をだ!
『そうか。よかったね。
ファイターはラプトかな?』
いつもならスルーされた事にショックを受けるのに何故かホッとする。
『クルート高原だョ。』
『じゃあ、ラプト行ける?』
『うん。ラプトにいればいい?』
『うん。
今から行くから待ってて。』
嬉しい。
また会えるんだ。
記念アイテムって、みんながつけてた赤い王冠みたいな頭飾りよね。
可愛いから欲しかったけど、どうするのかわからなかったやつだ。
それに…
それ着けたら
おそろいになる…
そんな些細な共通点にさえ小さな幸せを感じていた。
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