~フレンド・1~

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ラプトは相変わらず人でいっぱいだった。 白チャットが街中を飛び交う。 この中から彼を探す事ができるだろうか… 私を探す事ができるだろうか…   今の私には、彼がどこにいるのか、ファイターで来るのかクレリックで来るのかさえわからない。 どうして電話で聞いておかなかったのかと、自分のとろさが嫌になる。   狭いラプトの街を行ったり来たりしながら、みじめな想いでテントの中に座り込んだ。   こんなに人がいるのに、私はひとりぼっちの裸のファイター。 話しかけてくれる人は誰一人いない。     さっきまでの彼に会えるという喜びは、いつの間にか虚しさに変わっていた。     彼はどこからラプトに来るのだろう。 私の行く事の出来ない遠い街にいるのだろうか。   今更ながら、この世界での彼との距離が身に染みた。     『お待たせ』   Pの点滅。   若草色のローブのクレリック。 初めて会った時とローブの色が違うけれど、たしかに彼のクレリックの名前だ。   やっと会えた。 ホッとすると同時に、何故か不安な気持ちが沸き上がる。   『どうしたの?』   なんでもない。 なんでもないの。 この気持ち…うまく伝えられない。 会えた嬉しさよりも、孤独感だけが心に残る。 この時感じた孤独感がどこからくるのか、自分でもまだわからなかった。
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