~回想・夏~

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  困った事があると、いつも相談に乗ってくれているその人に言われた事が、とても気にかかる。   『オンラインゲームの中で知り会った女の子と付き合い始めた奴を、俺は知ってる。 マズイぞ。 そうならんうちに、我慢せんで言いたい事言ったらええ。 それで砕けたら俺が支えてやるけん。 勇気出して言ってこい。』     そうだ。 このままじゃいけない。 ちゃんと気持ち…伝えよう。 失いたくないから。       淋しいの。   不安なの。   どうしてゲームにばかり夢中になるの?     私…どっかに行っちゃうよ…   それでもいいの?     『ごめん。 苦しめるつもりなんかないんだよ。 いつでも忘れた事はないよ。 いつも待たせてる事、気になってた。 だけど、オンラインっていうのはリアルタイムで相手がいる以上、自分の都合で抜ける事ができないんだ。 いつも俺の事を手伝ってくれてるフレンドに頼まれたら、断れないのわかるだろ。   自分勝手ないい訳だね。 本当にごめん。   センカもエターナルやってみない? ゲームが好きなら楽しいよ。 わからない事があったら教えられるし。 同じ趣味を持つのもいいじゃん。 ずっと家と病院の行き来だけじゃ気分が滅入るだろう。』   
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