白い手紙

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  「何なのかしら、この手紙。……どこから来たのよ?うんともすんとも言わないし。」   手紙は静まり返ったまま。 テーブルの上で、お行儀よく、封が開けられるのを待っています。   真っ白い封筒に書かれた   「 ねここさんへ 」   の文字。なんてシンプルなのでしょう!差出人も書いてない、ただ宛名だけでここまで来た、白い手紙。   その苦労を思うと、手紙が可哀相に思えてきます。まるで、(早く読んで)と言っているみたい。   「うーん……。開けたい、開けたくない。そこのあなた!私の代わりに、この手紙を読んでくれません?」   ねここさんたら、誰に向かって話しているの?   
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