白い手紙

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  そうそう、この白い手紙のことを説明しなきゃいけないわよね。 では、ねここさんの夢まで遡ります。えいっ!   夕日が傾き始める頃、ねここさんは夢の中。   この夢は、ねここさんが起きてしまうまでにみた夢の中で、いちばん最後の夢なのだけれど、ねここさんはそんなこと知りません。   ねここさんは誰かとお茶をしているようです。少し、声をひそめて近づいてみましょうか。   「ここはなんだか変な場所ね。」 ねここさんは言います。   「変かなあ……。」 あら、何だお相手はねぼすけねむくんじゃない。   ねむくんっていうのは、ねここさんのお友達。いつも、ぱりっと洗濯された枕カバーの、大きな枕をかかえているから、ねむくんと呼ばれているの。 本当の名前?そんなの誰も知らないわ。もちろん、ねむくん自身さえ。   ああ、話がずれたわね。手紙、手紙。ふたりの話を聞きましょう。  
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