7人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、今日が何の日か、ねここさんが思い出してくれてよかったわ。
「こうしてはいられないわ。早く用意をしなきゃ、間に合わないじゃない。」
ねここさん、そんなに慌てると危ないわよ。ゆっくり、ゆっくり。
ねここさんはさっそく、キッチンへ向かいました。腕によりをかけて、ねここさんはお料理を始めます。
何が出来るのかしら。ねここさんの作るお料理はみんな、すごく美味しいの。
それに今日は、10年に1度の大切な日だものね。
鼻歌を歌いながらの楽しい作業。私まで明るい気持ちになってきたくらい!
これはレモンティーとアーモンドパイの匂いね。甘くて、とても美味しそう。
――コンコン
「こんにちは。ねここさん、いますか?」
お客さんが来たみたい。間に合ってよかったわね、ねここさん。
「はあい、待ってたわ。」
ねここさんたら、よく言うわ。
訪ねてきた思い出が、色褪せる前にたくさん話して、焼き付けてね。
新しい思い出も、きっと生まれるに違いないから。レモンと、アーモンドの匂いの中で。
「会いたかった!」
最初のコメントを投稿しよう!