犯人探し

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支店長が動き始めた。 みんなが、犯人探しとしてギクシャクしてきたからだ 支店長が『投書箱に無記名で良いので盗んだお金を戻してくれれば詮索はしないただし、3日だけ待つ』と回覧が回ってきた。 あり得ない、何人もの社員を呼び出しては事情聴取し疑っておいて、今さらお金だけってどういう事! 友人達は上司から疑われて周りの社員からも疑われている。何だかおかしい!? そんなことを感じつつ時間が流れた。 3日目投書箱が回収された。それで、どうなってるのか!? 回収され、数時間が経った支店長から呼ばれた! 店長室に入って行くと、支店長の机の上に封筒が、心の中で見つかったのか!と少し安堵した。が違っていた。 支店長が『投書箱を回収したらこの封筒が入っていた。中身を確認してみて』と言われ、確認した、確かにお金が入っていたが盗られたお金より少なく全額ではなかった! 支店長が『どうだ、全額ではないものの少しでも戻って来て良かったな。この金額を知っているのは、この私だけだから、君が他言しなければ、犯人も見つかったと全社員に報告ができ、明日からいつも通りの生活に戻れるがどうする?』 と言われ、私から『最後に犯人は誰でしたか?それだけ解ればもう良いです』と質問した。 すると、支店長の返答が『少しでもお金が戻って来たから良いじゃないか』 あり得ない、そんな返答で納得できるか!と心の中で叫びつつ、これ以上言ってもこの支店長には何の期待が持てない、もう諦めた、友人達には悪いけど、自分がまいた種でこんなことになってしまった。理不尽だけど諦めるしかなかった、悔しいけど泣きながら退室した。 友人達が来て『どうだった?』 『今は言えない、心の整理をして仕事が終わったら話すから』と伝えた。(まだ監視されている気がしたから) 休憩室の隅っこで独りでいると、係長がやってきた。『全額じゃないけど、出て来て良かったな。』(あれっおかしいなんで係長が知ってるの?)話は続く、『出て来たお金をみんなにも迷惑かけたからジュースの一本でもおごってやれ』(何を言ってるの係長!犯人は見つかってないよ)と言いたかった。最初の一言で支店長も係長もこの封筒のカラクリを知っていると思った。 全社員集合がかかった…!
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