抹殺眼

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「これは、どうかな?」 カイは教科書のある1ページを指差して言った。 「良いよ。 じゃあ、さっそく原理から説明するね」 こうして2人が勉強している頃、アリスとシンは魔力のコントロールについて特訓を始めていた。 「……修行の内容は単純。 私が今から徐々に魔力を送る。 貴方は水球を形成し、送られる魔力を操作し、魔力の暴走による魔術破棄を防ぐ」 「……わかった、すぐに始めよう」 アリスは頷くと、シンの右手を両手で包み込んだ。 白く細い指がシンの肌に触れる。 「……ア、アリスさん?」 「形成」 「りょ、了解」 淡い恋心と小さな期待をアリスに一蹴され、シンはすぐに水球形成を開始した。 水球が形成されると同時に、痺れるように力強い魔力がシンの全身を駆け巡る。 「……シン、乱れてる。 包容するようなイメージで」 「あっ、ああ……。 アリス、いきなり強くないか?」 「……? まだ微量しか流してないよ?」 アリスにしては微量の魔力。 しかし、シンには強烈であり、同時にアリスとの差を実感させられた。 その頃、カイは激しく頭を抱えていた。 「良い? この魔術は炎の構成要素を利用するの。 つまりーー」 「……リナ、早いよ……」 こうして、それぞれの修行は困難を極めていた……。
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