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カイは部屋に戻り、自分のベッドで寝ようとすると、先客が居た。
黄緑色の髪を垂らし、カイの妹、ミントは寝息をたてていた。
どうやら一緒に寝ようとしたが、カイが寝るのを待ちきれずに寝てしまったらしい。
カイはミントの頭を優しく撫でると、布団をかけ、自分は床に寝る事にした。
ミントは幼い頃、とても甘えん坊だった。両親の温もりを十分に受けていなかったからだと、カイは考えている。
ゼノとラメルにはとても感謝していた。
しかし、本当の両親に会いたいのも事実だった。
だから、幼いミントは2人きりの時に泣いていた。
泣きじゃくるミントの頭を優しく撫でながら、一緒に寝ていたのをカイはまだ覚えている。
だが時は経ち、ミントも芯の強い女性になりつつあった。
だからこそ、カイは安心して魔術学校に通う事ができたのだ。
「ミント……おやすみ……」
こうしてカイの帰郷初日は幕を閉じた。
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