調和同盟

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(これ以外手は無いな……) カイは一度後ろに下がると、アリスから距離を取る。 そして、アリスに向かって再び駆け出す。 アリスはカイの攻撃を回避しようと、拳を構え直す。 カイは両手の魔力を爆発させ、後ろに炎を噴射しながら前方に加速した。 「……!?」 カイは一気に距離を詰めると、アリスに拳を突き出す。 アリスは予想外の速度に驚いたが、右斜め前に踏み込み、寸前で攻撃を回避した。 「何っ!?」 カイの脇腹にアリスの容赦無い蹴りが叩き込まれる。 呼吸が出来ず、カイは胸を押さえる。 「ぐっ!」 「まだ半分程度の力しか込めて無いね?」 「見破られたか……」 「本気で来ないと私にはーー」 アリスは自分の頬を流れる一筋の血液に気付いた。 (……そろそろ武器を抜くべきかな) 「……少し本気出す」 アリスはゆっくりと腰元から短剣を抜く。銀色の刃が太陽の光を反射する。
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