合格

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――クレスト家、居間 その夜、クレスト家では盛大な宴会が行われていた。 カイも黒のタキシードで正装をしている。 「ゼノ、カイ、私はエレナさんの所へ行ってくるわね」 「私も行きたい!」 妹のミントは叔母に手を引かれ、人混みに紛れていった。 カイは叔父のゼノと二人で会場を歩き回る事にした。 辺りには色とりどりの豪華な料理が並んでおり、目を奪われそうになる。 「相変わらず、クレスト家はあらゆる規模が巨大ですね」 「まあ、な……。 ロベルトは色々な組織の要職を兼任しているからな」 二人が席に着いて豪華な料理を堪能していると、司会者らしき人が喋り始めた。 「皆様、本日はリナお嬢様の合格祝いにようこそ。 それではお嬢様、一言お願いします」 しばらくすると、髪を纏め、黄色のドレスを身に纏ったリナが現れた。 「いつもと全然違うな……」 薄く化粧していて、いつもの活発な姿とはまるで違っていた。 「本日は、私の為にお忙しい中、お集まりいただいた事に、心から感謝申し上げます。 今日は楽しんで行ってください」 リナの短い演説が終了すると、会場から盛大な拍手が送られた。
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