33687人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
――クレスト家、居間
その夜、クレスト家では盛大な宴会が行われていた。
カイも黒のタキシードで正装をしている。
「ゼノ、カイ、私はエレナさんの所へ行ってくるわね」
「私も行きたい!」
妹のミントは叔母に手を引かれ、人混みに紛れていった。
カイは叔父のゼノと二人で会場を歩き回る事にした。
辺りには色とりどりの豪華な料理が並んでおり、目を奪われそうになる。
「相変わらず、クレスト家はあらゆる規模が巨大ですね」
「まあ、な……。
ロベルトは色々な組織の要職を兼任しているからな」
二人が席に着いて豪華な料理を堪能していると、司会者らしき人が喋り始めた。
「皆様、本日はリナお嬢様の合格祝いにようこそ。
それではお嬢様、一言お願いします」
しばらくすると、髪を纏め、黄色のドレスを身に纏ったリナが現れた。
「いつもと全然違うな……」
薄く化粧していて、いつもの活発な姿とはまるで違っていた。
「本日は、私の為にお忙しい中、お集まりいただいた事に、心から感謝申し上げます。
今日は楽しんで行ってください」
リナの短い演説が終了すると、会場から盛大な拍手が送られた。
最初のコメントを投稿しよう!