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「俺は可能性があるなら魔術師になりたいよ。 それに……」
「リナちゃんと離れたくない、だろ?」
図星だったらしく、カイは両頬を紅潮させる。
「……まあ……アイツには昔の事で借りがあるからね……。
けど、それだけが理由じゃない。
俺も魔術を学んでみたいんだ!」
「良い返事だ、俺はお前の選択を支持しよう」
「けど、叔母さんは……」
普段は滅多に怒らないラメルの表情を想像し、カイは俯いてしまう。
「自由に生きろ、カイ。お前は確かに私達にとっては息子も同然。だがな、やはりお前はお前の道を進むべきだ。兄貴が生きていたならきっとお前の意思を尊重したはずだ」
「叔父さん……」
「大丈夫、あいつは俺が説得しておくよ。それよりも、お前が魔術学校に行く以上、お前の両親の話をしておく。長い話だし、理解不能な点もあるだろうが、とりあえず、一度は耳に入れなさい」
ゼノはポツポツと語り始めた。
どこか、悲しそうな表情で。
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