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「奴らは恐ろしく強力な魔術を使い、サウスランド国中で暴れ続けた。
そして、その襲撃はシャルド地方も例外では無かったんだ」
「……カオス……一族」
「俺達地方軍は奴らを迎え討ったが、魔術と剣ではあまりに相性が悪かった。
すぐにその知らせは国軍に届いたが、なにしろサウスランド中が襲撃されていたんだ、援軍はなかなか来ない。
だが、なんとか俺達は時間を稼ぎ続けた」
カイも以前、少し聞いていたため、取り乱しはしなかったが、戦争の恐怖の片鱗を僅かだが、感じた。
「そして、国軍の援軍が来るまで、僅かとなった時、奴らのうちの数人が城に侵入してきたんだ」
悲痛な表情を浮かべ、ゼノは溜め息混じりに言葉を紡ぐ。
「その時、奴らを迎え討ったのが、お前の両親である二人の魔術師、ハイドロとカレン義姉さんだった……」
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