クラスマッチ『下』―風と幻―

38/38
33685人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
「いや、マナは良くやったと思うよ。 それにまだ四番手同士だから大丈夫。 それよりも医務室に行った方が良い」 「え、でも……」 「試合なら小型魔鏡で観られるさ。 僕が付き添うよ、行こう」 「う、うん……」 マナはディールと共に医務室へと向かった。 「おのれ、ディール! もう一回言うぞ、おのれ、ディール!」 「シン、マナも守備範囲内って言ってたもんな……」 「……」 アリスの冷たい視線がシンを射抜く。 《メイサ選手の続行が認められました。第7試合の両選手は前へ》 「行ってくるね!」 リナが緊張した表情で立ち上がる。 「緊張せずに落ち着いて戦いなさい」 母親のように諭すアリスの言葉に頷くリナ。 「負けても俺らが何とかするから、思いっきり戦ってきな」 「そうだね……ありがと」 シンの励ましに笑顔で答えるリナ。 「リナ……頑張れよ」 カイの声援に頷くと、リナはフィールドへと向かった。
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!