魔術学校

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駅に着くと、2人は列車に乗り込む。 出発の時、執事長がハンカチで涙を拭いていたのが、カイの目に焼きついていた。 「リナ様もカイ様も立派になられて……。私は嬉しいです……」 ――― 二人の乗った列車は魔術学校のある駅に到着する。 二人は空いた車両で雑談していたのだが、生徒達は知り合い同士で会話しているらしく、なかなか輪に溶け込めず、意気消沈していた。 二人はの住んでいた地域は田園地帯で子供が少なく、魔術学校に行くのはカイとリナの二人のみ。 魔術学校はアルバート地方の中心部にあり、普段都心部に出かけないカイには新鮮な光景だった。 アルバート地方を治める領主の城も近いこの街“魔術学区”はアルバートの重要拠点としても知られていた。 やがて、魔術学校の全景が二人の視界に入って来る。 南国の王城である“結晶宮”のような華やかさはないが、城の建築様式は繊細で美しくかった。 辺りには晴天にも関わらず、霧が出ていて、若干、視界が悪い。 魔術学校は魔術学園、魔術学院と隣接している為、高さはないが、敷地はかなり広いようだった。 「広いな……」 「うん……」
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