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すると、壁の古代文字が壁から飛び出し、2人の周りで回転し始める。
魔法陣は凄まじい光を放ち、何本も光の柱が飛び出す。
「手を翳し、己の炎を纏わせなさい」
「素手、ですか?」
「大丈夫、君なら出来る」
「はい…!」
カイは向かい合わせになっているカルスへ手を翳し、獄炎を纏わせる。
「よし!!」
獄炎は上手い具合にカイの手を包んだ。
「それでは、始めよう」
そう言って、カルスはカイには理解不能な古代語らしき詠唱を始めた。
しばらくすると、カルスの手にも巨大な獄炎が纏われ、獄炎は糸のように放出され、カイの手に触れる。
「我、ここに炎の力を残す。
彼の者を蜃気楼、守る事を我、望む。
炎と共に受け継がれし我らの意志よ、誇りよ、情熱よ。
我らの後を継ぎし者に大いなる力を!!」
「!!」
カイの獄炎とカルスの獄炎が繋がり、カルスの手の周りを古代文字が回転する。
そして、激しい光が迸り、カルスの手の甲に刻まれた文字はカイの手の甲に刻まれた。
「カイ、お前を信じているぞ」
炎の継承。
カオス一族達もまた、新たな脅威が誕生した事を知らない。
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