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「……暇つぶしにはなった。ご苦労」
カペルはそう言ってクラウスの大剣を右手で受け止めた。
甲高い鉄の音から刃物だと推測される。
「邪魔だ」
クラウスがカペルの『本気』の蹴りを受け、吹っ飛び、壁を突き破って落下して行った。
まるで、確定事項のように。
前触れも無く。
クラウスを追おうとするマーフィーはカペルの殺気に足を止め、諦める。
いずれにせよ、アルバートの負けは決まったも同然だった。
ナタリ、ラディン、レイも呆然としていた。
「さて……始めようか」
カペルがアリスに向き直る。
その魔力はさらに変質し、強力になった。
(魔神抜きでどこまで渡り合えるか……。まあ、本気で戦えば、相討ちには持ち込めるかな……)
その瞬間、階下で爆発が起こる。
その音に、カペルが足を止めた瞬間、天井に亀裂が入った。
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