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そうして、彼らは集う。
これは、
「カイはまだ寝てるみたいだねぇ」
「そろそろ起こさないと駄目だよね」
「……」
幼馴染みとの約束の時間になっても、寝台で眠りこける黒髪の少年と――
「もう、カイってば遅いなぁ……」
その少年に待たされる黒髪の少女と――
「ああ、頼む。負の人格はここでの生活に要らないだろ」
「では、暫し記憶をお預かりしますね。そうそう、新しい御名前はお決まりになりましたか?」
「ああ、もう決まってる」
これから校長と呼ぶであろう男と向かい合う金髪の少年と――
「もうすぐね、入学式」
「ええ……」
「ククッ、先生に言わせれば、そんな仏頂面じゃ、友達一人も出来ないぞ」
「……うるさい、読書の邪魔」
和気藹々と語り合う両親を無視して、読書に勤しむ蒼髪の少女が――
偶然か必然か。
四人の若者は運命の地に集う。
様々なしがらみや因縁渦巻くこの小さな王国で、調和と混沌の抗争が幕を開ける。
全てが終わる時、空は勝者の色に染まる。
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