授業開始

26/27
33687人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
マディの宣言に続き、拍手が起こった。 保健室から戻ってきていたカイ達も一緒に拍手をする。 バーティスとシンは互いの実力を認めたらしく、握手をしていた。 そんな2人を満足そうに見た後、マディは口を開く。 「じゃあ、今日の戦闘演習はこれで終わりだ。 今日はHR無しだから各自部屋に戻って今日はゆっくり休め。では、解散!」 挨拶が終わると全員が闘技場を後にする。カイも帰ろうとするが、マディに呼び止められる。 「カイ、少し良いか?」 「ええ、別に大丈夫ですよ?」 マディは声のトーンを少し落とし、カイに一言。 「単刀直入に言うと、お前の左目について話したい」 「……!」 「お前はその左目についてどこまで知ってる? 俺に話してくれないか?」 カイは少し迷ったが、事のあらましを簡潔に説明した。 「…なるほど、話してくれてありがとう」 「先生はこの紅蓮の瞳、いや『イレイズ・アイ』についてどこまで知ってるんですか?」 「それはまだ話せない」 「まだ?」 「ああ、すまない。わかってくれ」 「……わかりました」 「悪いな、それから、もし、この先その声や『イレイズ・アイ』に関係する事があったら、俺に話すんだ。相談に乗る。 俺じゃなくてカルディル、いや、アリスでも良い」 「アリス? 何故、アリスが?」 「彼女もお前と同じ、『使い手』なんだ」 「『使い手』?」 「すまない。それもまだ話せないんだ」 「わかりました…。 じゃあ、みんなが待ってるんで俺はもう行きます」 「後、最後に1つだけ良いか?」
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!