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マディの宣言に続き、拍手が起こった。
保健室から戻ってきていたカイ達も一緒に拍手をする。
バーティスとシンは互いの実力を認めたらしく、握手をしていた。
そんな2人を満足そうに見た後、マディは口を開く。
「じゃあ、今日の戦闘演習はこれで終わりだ。
今日はHR無しだから各自部屋に戻って今日はゆっくり休め。では、解散!」
挨拶が終わると全員が闘技場を後にする。カイも帰ろうとするが、マディに呼び止められる。
「カイ、少し良いか?」
「ええ、別に大丈夫ですよ?」
マディは声のトーンを少し落とし、カイに一言。
「単刀直入に言うと、お前の左目について話したい」
「……!」
「お前はその左目についてどこまで知ってる? 俺に話してくれないか?」
カイは少し迷ったが、事のあらましを簡潔に説明した。
「…なるほど、話してくれてありがとう」
「先生はこの紅蓮の瞳、いや『イレイズ・アイ』についてどこまで知ってるんですか?」
「それはまだ話せない」
「まだ?」
「ああ、すまない。わかってくれ」
「……わかりました」
「悪いな、それから、もし、この先その声や『イレイズ・アイ』に関係する事があったら、俺に話すんだ。相談に乗る。
俺じゃなくてカルディル、いや、アリスでも良い」
「アリス? 何故、アリスが?」
「彼女もお前と同じ、『使い手』なんだ」
「『使い手』?」
「すまない。それもまだ話せないんだ」
「わかりました…。
じゃあ、みんなが待ってるんで俺はもう行きます」
「後、最後に1つだけ良いか?」
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