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「アリスとは仲良くやれてるか?」
「……ええ。 最初に比べれば」
常にクールなアリスの表情を思い浮かべ、苦笑する2人。
「あいつの事、頼んだよ」
「はい、でも、何故?」
「昔、ちょっとな……。
ほら、あいつら待ってるぞ」
マディは会話を打ち切るように、カイの背中を軽く押した。
「ええ、わかりました。
それじゃ、失礼します」
カイは3人に合流すると、楽しそうに笑いながら帰り始める。
「あれが『イレイズ・アイ』か……。
『賢者』と『英雄』の切り札」
寮に戻って行く4人を見ながら、マディは呟いた。
「カナリア……お前の見たかった世界は……きっと、アイツらが見せてくれるよ」
マディは腰に据えた双剣に向かって、また、呟いてしまう。
返事は無いと、知っているのに。
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