抹殺眼

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「私が起こせば良かったわね……」 侵入者と勘違いしたリナの本能的防衛を受け、カイの顔は痣だらけだった。 リナが治癒魔術を使用したため、傷は治ったが、カイの機嫌は直らなかった。 「ところで、アリス、そろそろ教えてよ。今日『本気を出すな』って言ってた理由をさ」 「……わかった」 アリスは真剣な面持ちで口を開いた。 ー数日後ー 「よし、今日は大切な連絡がある」 マディは全員の注目が集まっている事を確認すると、再び口を開く。 「夏期休暇明けに『学年別クラス対抗試合』が行われる事になった。 まあ、要はクラスマッチの事だ」 学年別クラス対抗試合、主にクラスマッチと呼ばれる。 各クラスの2班8名の代表選手がクラス同士で闘い、学年最強のクラスを決めるというイベントで、体育祭という別名もある。 このイベントは数ある学校行事の中でも特に人気が高い。 他校とは違い、このクラスマッチには担任である6人の教師も参加する。 そして、そのクラスマッチの開催が近付いてきたので、1ヶ月後にクラス内でクラスの代表選手を決める試合を行う。 無論、この試合は4人1組で行われる。 そして、今回勝利への鍵を握るのは、『相手チームに関する情報』である。 クラス内予選が開催されるまでの間、お互いのチームも情報はわからないので、前回の戦闘演習のデータが非常に重要になってくる。 つまり、アリスがカイ達に本気を出すなと言っていたのは、この試合で勝つ確率を上げるためだった。
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