抹殺眼

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「いえ、まだ話し合い中で……」 リナが申し訳なさそうに弁解する。 「おお、そいつは失礼。 まあ、お前らの班は正直、指導の必要ないと思ってるんだけどな」 「え、何でですか?」 「俺よりよっぽど適任者がいるからさ。 なー、ア―リスちゃん」 猫なで声でマディに名を呼ばれ、露骨に嫌そうな表情を見せるアリス。 「調子乗ってると、八つ裂きにするわよ」 「おいおい、反抗期ですか、お嬢様? お前、実力だけはあるんだから、お友達に教えてやれよ」 「うるさいわね、面倒だから嫌よ」 「なら、ちぇんちぇが手取り足取り教えてあげまちゅね、アリスちゃーん」 「……」 何か紐が切れるような音が聞こえた。 同時に、アリスが左手で弄んでいた万年筆が握り潰されていた。
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