キミ

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キミは、いまでもあの月をみていますか?      *   彼女と出会ったのは、全くの偶然だったんだと思う。 中2の冬、僕は初めて入院した。 ただの骨折だったけど、親父に大事をとって入院させられた。   僕はあまり入院したくなかったけど、親父の言うことには従わなければ後で泣き付かれるから仕方ない。   「はじめまして。担当医の谷口です。」   松葉杖をつきながら、担当医の谷口先生に挨拶される。   「水野 悠哉君だね?」   僕は「はい」と軽く返事をすると、谷口先生は安堵した表情を見せた。   「よかった。じゃあ病室に行こうか?」   そういうや否や、先生は松葉杖姿の僕を気遣いながら、病室にあしを運んだ。    
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