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少年が危険を促したときにはもう遅かったみたいだった。
何かが僕の頭にごつんと当たる。
そのまま後ろに倒れて、水があまりない噴水に落ちかかった。
あわよくばギャグみたいな展開を脱した僕は今一度少年を見た。
「ごめんなさい!うっかり目を離してしまって……」
そう少年が懸命に謝っているのを見て、僕は少年の頭を撫でてこう返した。
「いいんだよ。僕はあまり気にしていない。僕の不注意だ」
少年はほっとした表情になった。
すると、ぶつかった何かが少年の肩に乗りかかる。
「フリオ!これからは気を付けろよ!」
「フリオ?」
「僕が飼っている鷹です。僕の父親が買ってくれた大切なものなんです……」
なんだか息子想いのいいお父さんだね、とにこやかに返すと少年はにっと笑い、
「僕はルーク!また機会があったら会おうね!」
と言って去っていった。
旅はいいなぁ……
「ただいまだべ~」
ちょうど入れ替わりにフェインが帰ってきた。どうやらちょっと上級の杖が買えたみたいで上機嫌だ。
「あんたにも買っておいたさ!」
と言って大衆存在のなか、松茸を僕に手渡した
「アワビは……」
うるせぇ!これ以上何も言うな!非公開になるだろうがッ!
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