伊東一派の離脱

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慶応三年、弥生のことだった─。 原田、永倉、そうまの三人が庭で話をしていると平助がやってきた。 『左之助…新八。 そしてそうま。三人にはまず始めにいっときたくて…』 『おいおい。平助!そんな畏まってどうしちまったんだよ?』 『ちょうどいい。今からそうまオススメの餡蜜屋に行くとこだったんだ。お前もくる?』 『藤堂さんも行きましょうよ!』 平助は皆の顔を見ると一瞬悲しそうな顔をした。 だが、すぐにいつもの表情に戻った。 『僕は───新撰組を脱隊して伊東さん達についていくことにしたんだ。皆。今までありがとう……。 』 その瞬間─── 三人の顔から笑顔が消えた。
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