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8月13日 夜 前半
大志が行った…
戦争が始まってから大志と一緒じゃ無かった時なんて、無かったな…
僕も、明日…明日だ…
八重桜の下で一人考えていた…
「猪飼…栄二殿」
!?
「栄二殿だね?」
頷いた…
話し掛けてきたのは整備兵の松葉義文
通称、松じいだった…
「明日じゃな…」
「えぇ…」
「親父さん…猪飼大尉は…嫌い…かね?」
「はい…」
「そうか…
今日はな、その大尉について話したいこと…いや…
話さなくてはいけない事がある…」
…?
「若松君から受け取った手紙があるだろ?…若松大志宛の手紙…」
「これ…ですか?」
僕は手紙を取り出した…
「そう、その手紙な、大尉が書いたんだが…若松君が特別だから…では無いんだよ」
「え…?」
一瞬戸惑った。手紙を書いたのは大志が特別だからでは無い!?
大志を特別扱いしなかった父に落胆すると同時に、
何故と言う思いが出て来た…
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