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8月13日 夜 後半
松じいは、言った…
「その手紙はな、若松君だけではなく、出撃するみんなにも一人一人に大尉が手紙を書いていたんじゃ…」
信じられない…あの人が、隊員に手紙?…
「それだけではない…」
松じいは、父、猪飼大尉について話始めた…
便所に行けず出撃した波多野君
彼の手紙には、一緒に腹痛止め薬が入れられていたこと…
隊員から没収ものは最後手紙と一緒に返されていた事…
訓練の見せしめは、死にゆく隊員と医務室で二人だけで会話するために、行っていた事…大志の時も…
戦闘機の燃料は、父の指示でいつも満タンで、それを見て隊員が笑顔で出撃出来たこと…
不器用だけど、一番に隊員の事を考えていた事…
僕は、大志宛の手紙を開けて読んだ…
「若松大志殿
先日の暴力まずはお詫びいたします。
長い間、息子栄二がお世話になりました。心より感謝しております。
あと、娘、柚を幸せにしてあげて下さい。私、猪飼友清は、あなたのような立派な方を新郎に認めます。
1945年8月13日」
涙が止まらなかった…
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