あるいは踏み外した道

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「あの、凪さん……」 着替えてきた蓮華がひょっこりと顔を出した。 その顔が心なしか青ざめているのは、甲冑騎士の悲鳴が響いているからか。 「……みんなで何してるの?」 「蓮華、あなたもそろそろこういう事を直に見て平気にならなくちゃね。 気にしないで会話を続けましょう」 笑顔でその先を遮り、私はため息をついて頬に手を当てた。 「蓮華、なにかあったならまず私達に連絡なさい。 ただでさえあなたは運が悪くて いつも追われてるんだから」 「いや……追われてる原因の四分の三は敵を作りまくってる店長や凪さんや誠司さんに巻き込まれてるからだけど」 「敵が多すぎるのはしょうがないとして、私は蓮華が心配なのよ? 店長や、誠司さんだってそうなんだから」 都合の悪い事をスルーして出した名前に、蓮華が反応した。 うつむくその頬は桃色に染まっていて。 ああ、やっぱりか。 私は見えないようにこっそりとため息をついた。蓮華にも、誠司くんにも。 こんな時だけ勘が働く自分の才能と経験が憎い。 「ごめんなさい……」 「ん、分かればよろしい。 誠司くんと店長にも謝ってきなさい」 私は二人に近寄っていく蓮華の姿を見送った。
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