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私は横路 知夜梨(ヨコミチ チヤリ)、16歳の華の女子高生。
近所の高校から帰っている途中、気まぐれで傍の秘密基地に寄ってみる事にした。
秘密基地といっても単なる工場跡地、
幼なじみの家が所有しているのを小学校の頃から改造させて貰っているだけだ。
そこに毎日通っている幼なじみはまだ来ていなかった。
暇を潰しつつ鉄板なんかが転がっている跡地をぶらついていると、足元に一つの小箱。
埃まみれの他の物と違って、それだけやけにキラキラ光っていて、
ただ放置されているゴミと違って、なにかを訴えているように思えた。
私は引き寄せられるようにそれを手に取り、
つけっぱなしの鍵を回した――
で、この状況。
「なーなー、願い言ってえなー、なー、てばー」
ええい、なーなーうるさい!
普段覗かない所を探検してみようと思い立ったのが運の尽きだった!
私は手にまとわりつく男の虚像を振り払うと、
きっと睨みつけた。
「願いの代わりに腕寄越せだなんて、強引にも程があるわ!
あんたの親は何を教えてきたの!」
「その親が命令してんて。
せやから代わりに願い事叶えたるいうとるやん」
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