少年少女の願い編:いつかは朽ち果てる

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「代償が腕二本とか、中途に重いのよ! どれぐらいのレベルの願い事をすりゃいいんだ!」 あれ、なんか話がずれてないか。 とも思ったが、男は私の質問を真面目に考えていた。 「せやなぁ…… 腕の価値は人それぞれやと思うけど、 その年で腕無くすんはちょっときついわな。 腕はこれからの人生必要やからな、平均寿命引いて仕事でもらっとる金を合計したらええ。 養ってくれるもんがおるんやったらそれの二割引で願い考え」 「願い事考えるのに無駄に金銭的だなオイ! 大体私学生だし、手に職なんか持ってもいなければ どうやって生活しようかなんて考えてないよ!」 「なにぃ!? 俺はお前ぐらいの年に既に働いとったぞ! 勉強しとるんはすごい思うけど、仕事の事は考えんとあかん」 時代は豊かになったもんやなぁ、と 妙に納得する男。 まあ待て、 これ完全に話題が流れてるよ。 アフリカの数年に一度逆流するどこぞの川のごとくとんでもない方向に流れてる。 「まー、学生やったら学費も上乗せしたらええんちゃうか? それより、今の学費ってどれぐらいなん? 俺途中から寝とったみたいでここ五十年前後の金銭感覚よう分からんのやわ」
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