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今まで刀と刀が重なり合う音が聞こえてた筈なのに
今は
噎せかえる程の爆薬の臭い
無数に広がる兵士達の屍
こうなると敵も味方も関係無く思える
苦しんで逝ったであろう転がった兵士達の顔は見るに耐え難い表情
地に広がるは深紅…とも言えないどす黒い赤
血生臭い
もう慣れてる筈なのにねぇ………
「……旦…那…どこ……?」
先程自分の主の姿を探している時に刀で貫かれてしまった腹部にはこれでもかという位の血が出たであろう
「ハ……俺様としたことが…あんな簡単にヤられちゃう…とは…ね」
しばらく主を探し傷を抑えながら歩いた
幾つも幾つも転がっているモノを踏まないように
するとその場所だけに凄い数のモノ…兵士の山があって中心だけ綺麗に兵士の姿がない
何か嫌な予感がする
どうか当たらないで
中心がはっきり見える程まで近づいてみる
ちょうど中心には紅を纏った青年の姿
身体の至る所に刃物の穴が空いていてそこからは温かく赤いものがどなく溢れて行く
「……!…」
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