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★ 「いくら探したって、無いものは無いのさ…」 「…まだだよ、まだ、なんだ…」 日陰を探す様にして路地裏に蠢く影が二つ。 一つは“灰色” そしてもう一つは、夕陽の様な“橙色” 「んーいい加減さぁ、帰ろって~」 今にも座り込みそうな弱々しい声音で呟く橙色は 背中を向けたまま前を早歩きする灰色を見やる。 「まだだめです。気配は残ってる、きっと近くにーー」 灰色は後ろを振り返りもせずに 早口にまくしたてた。 ⇒
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