最終章「戻れぬ時」

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カチッ 引き金に力を入れたが 弾は出なかった カチッカチッ 何度も引き金を引くが同じ事だった ガシャン!!!! 呆然とピストルを見つめる横井の後ろのガラスが、不意に割れた 横井は何が起こったかわからなかった しかし、自分の腹部から血が溢れ出ていることに気付き、そのまま倒れた 藤沢も銃を手から離し ぐったりと倒れた 腹部からの出血がひどい 「お前……ピストル…」 藤沢が消えそうな声で佐々木に言った 「俺は警察官だ…」 力無く立ち上がった佐々木は藤沢の落とした銃を遠くに退かした そして横井の前に座り込んだ
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