第二章

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~三番隊隊舎~ 隊舎に戻り執務室へと向かう。 部屋に入りあたりを見回す そこには未処理の書類が積まれていた。 (そういえば・・・愛理がおった時はこんなんなかったなぁ・・・) 些細なことだが・・・いなくなって初めて分かること。 (愛理・・・どないしてしもたん?) ふと窓の外に目を向ける。 そこにはギンの気持ちを無視するかのように きらきらと輝く朝日が昇るところだった。 外は相変わらず騒々しい。 まだ見つかっていないのだから当たり前といえば当たり前だが。 (・・・行こ・・・愛理が待ってるわ・・・) 羽織りをなびかせ出ようとしたところに 『隊長!』 激しく戸が開き、そこには吉良の姿があった。 『なんや?』 『それが・・・その・・・』 言葉が詰まる。 不安が押し寄せる。 『柏木三席が・・・遺体で発見されました・・・』 遺体? 『イヅル?冗談はあかんなぁ~?笑えへんやんか』 『・・・』 吉良はただ無言で立ち尽くす。 ギンの顔から、笑顔が消えた。
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